SPY×FAMILYに登場する工業製品(第1巻表紙~第1話)
ここ2年くらい継続してコミックスを買い続けている漫画があります。
今期アニメ放送中の『SPY×FAMILY』(原作:遠藤達哉、集英社『少年ジャンプ+』連載中)です。
仮初の家族が主役のハートフルスパイコメディ(個人的な捉え方)、面白いので勝手におすすめします。
この漫画の舞台はおそらくベルリンの壁で東西に分かれていた頃(1960年代くらい)の旧ドイツをモデルとした世界だと思われますが、椅子をはじめ作中に登場する工業製品が当時を思わせる特徴的なデザインなので、そのモデルとなった製品はこれかな~と見当がついたものを紹介していきます。
Cassina「LC2」
まずはコミックス1巻の表紙で黄昏が新聞を持って腰かけている、金属のフレームに革張りのクッションが載った椅子。第1話ラストの「ちちーっゆうびんやさんきたー」のページとその次のページで3人掛けバージョンも登場します。イタリアの高級家具メーカー・Cassina(カッシーナ)が1929年に発表し、1964年に復刻生産された「LC2」シリーズの革張りソファがモデルになっていると思われます。
現在でも注文すれば購入できるみたいですが、革張りのものだと価格が1人掛けで100万円程度、3人掛けで200万円程度する高級品です(中古ならもう少し安く手に入れることもできそうです)。ニューヨーク近代美術館に所蔵されているそうなので、近くへ行く際には見学してみたいですね。Cassinaの店舗は日本国内だと青山(東京)、名古屋、大阪、福岡、札幌にあるみたいなので、もしかしたら展示してあるかもしれません。
コッペル社製SL(99シリーズ?)
第1話、駅のホームに「にゃーん」の台詞が出てくるページ1コマ目の蒸気機関車。正面に3か所付いているライトの位置関係が1932年ドイツのコッペル社製SL「99 2321号機」「99 2322号機」に似ているので、おそらくこのあたりがモデルになっているのではないかなあと思います。鉄道に関して詳しくなく調べても情報が見つからなかったのでぼかしましたが、機関車の車体ナンバーの99はシリーズ名のようなものでしょうか。
2011年や2014年に99 2322号機がドイツのモリー鉄道で現役で走っているよという写真を載せていたブログや個人ホームページがあったので、ドイツのモリー鉄道を見に行けば実物に会えるかもしれません。バルト海沿岸のバート・ドベラーンという地域を走っているそうです。
ヴォルタースドルフ軌道(Straßenbahn Woltersdorf)
第1話、「かっこいいうそつき!」のページでロイドとアーニャが乗っていた路面電車。車体正面の上から順に真四角の表示板、横長の表示板、横長の窓(?)、フロントガラス、フロントガラスの下に塗装のデザインとして逆三角形があり、その真下にライトが1つ付いています。これと似たデザインの路面電車を探したところヒットしたのがヴォルタースドルフ軌道(Straßenbahn Woltersdorf)です。車体が製造されたのは1957~1961年(ウィキペディア情報)。
ベルリン近郊のヴォルタースドルフとベルリン郊外をつなぐ路線で、森の中を走ることが有名みたいです。検索したらトリップアドバイザーがドイツ観光のページで紹介していたり、ドイツの鉄オタが2021年に動画を上げていたりしていたので、2022年現在でもドイツのヴォルタースドルフに行けば実物に乗れそうです。
今回はこのあたりで。